(平成14年7月15日発行、三条歯科医師会50周年記念誌序文)

           序文
                       会長 今井克義

 歴史とは、「人間社会が、時間の経過と共に移り変わってきた過程とその中での出来事、又それをある秩序・観点のもとにまとめられた記録・文書」と、手許の辞典にあります。まさに今、私達が手にしている“三条市歯科医師会史"は、その表題のとおり新潟県における歯科団体の誕生にはじまり、平成11年3月までの三条市歯科医師会の歴史が各分野ごとにまとめられて、余すところなく整然と述べられています。
第1編に記されている創成期の史実は、私などは今回はじめて知り得た話ばかりです。100年以上も前の1900(明治33)年5月に、県内の歯科団体の起源となる第1回新潟県歯科医会が、三条町で開催されたとあります。地元の私達にとって愉快な出来事ではありませんか。又三条町にゆかりの4人の医師・歯科医師の逸話などは、皆様もきっと興味深くお読みになることでしょう。この記念誌発行のために、尽力をつくされた編集委員の先生方に、心からお礼を申しあげます。特に、責任者として献身的に資料の収集と整理編集にあたられた、市川哲夫先生の無類の責任感と精神力があって、はじめてこの会史の刊行をみたという事を私達は心にとめておくべきものと思います。
 時の経過と共に、歴史はこれからも刻まれていきます。この会史を基に60年史・70年史、そしてやがて1OO年史へと編纂されていくことでしょう。皆様、30周年の記念写真をこ覧下さい。三条市歯科医師会の歴史に大きな足跡を残された、今は亡き諸先輩の元気なお顔が並んでいます。創成期から今日までの幾星霜、地域に根ざした歯科医療と公衆衛生活動の推進に、大きな成果を上げてこられた全ての先生方に、この一冊を捧げます。